朝日日本歴史人物事典 「下照比売命」の解説 下照比売命 『古事記』『日本書紀』にみえる女神。『古事記』では下光比売とも記す。別名を高姫とも稚国玉ともいう。大国主命の娘で味耜高彦根神(アジスキタカヒコネノカミ)の妹。天穂日命(アメノホヒノミコト)の妻となる。夫のアメノホヒは高天原に対する裏切りの罪により命を落とす。その葬儀の場にアメノホヒの友だった兄のアジスキタカヒコネがやってくるが,皆から死んだアメノホヒと間違われたことに怒って,建物を壊して飛び去ってしまう。このときに,歌によってその兄の名を皆に教える。下照比売命のこの行為は,未知の神の出現に際し,それがいかなる神であるのかを歌によって人々に知らしめるというもので,神と人とを媒介する巫女の役割を反映している。<参考文献>西郷信綱『古事記注釈』2巻 (神田典城) 出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報 Sponserd by