下紐の(読み)シタヒモノ

デジタル大辞泉 「下紐の」の意味・読み・例文・類語

したひも‐の【下×紐の】

[枕]《「したびもの」とも》「した」にかかる。
「―下ゆ恋ふるに月そ経にける」〈・三七〇八〉

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精選版 日本国語大辞典 「下紐の」の意味・読み・例文・類語

したひも‐の【下紐の】

  1. ( 上代は「したびもの」 ) 「下紐」の「下」と同音の繰り返しで「下ゆ恋ふる」にかかり、また、下紐を解く意で、「解(と)く」と同音の地名土岐(とき)」に、下紐を結う意で、「結(ゆ)ふ」と同音の「夕」にかかる。男女が別れる時に互いに下紐を結び合い、再会して解き合うまでその紐を解かないという習慣、また信仰があったので、その恋の心を含ませて用いる。
    1. [初出の実例]「物思(も)ふと人には見えじ之多婢毛能(シタビモノ)下ゆ恋ふるに月そ経にける」(出典万葉集(8C後)一五・三七〇八)
    2. 「したひものゆふつけ鳥のこゑたててけさのわかれにわれぞなきぬる〈よみ人しらず〉」(出典:続後撰和歌集(1251)恋三・八二一)

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