不係・不拘(読み)かかわらず

精選版 日本国語大辞典 「不係・不拘」の意味・読み・例文・類語

かかわら‐ず かかはら‥【不係・不拘】

連語〙 (動詞「かかわる(係)」の未然形に打消の助動詞「ず」の連用形の付いたもの。「関係しない」の意から転じて、助詞「に」「にも」の下に付いて、前文の意を反転して後文に接続する)
① 後文に述べられる結果が、前文に述べられた障害となるべき条件から順当に予想されるものと反対であることを表わす。…なのにそれでも。
※小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上「東西人おなじからず南北地異なるにも係(カカハ)らず、一個の家長を尊崇して之を酋族の長となすこと人間社会の通則なり」
② 後文に述べられる事柄が、前文の条件のいかんに関係なく、常に成立することを表わす。…に関係なく。
※天草本伊曾保(1593)尾長鳥孔雀の事「ゲイ タニ スグレラレタ ジンタイヲ カウセンニ cacauarazu(カカワラズ)、コンニチ ヨリ トリノ ワウト アヲギ モチヨウズル」
※上海(1928‐31)〈横光利一〉一六「印度は此の中日の係争如何に係らず独立する」
[補注]②は普通「にも」には付かない。また、前文には「晴雨にかかわらず」のように、対立語を並置することが多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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