不完全競争の経済学(読み)ふかんぜんきょうそうのけいざいがく(その他表記)The Economics of Imperfect Competition

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「不完全競争の経済学」の意味・わかりやすい解説

不完全競争の経済学
ふかんぜんきょうそうのけいざいがく
The Economics of Imperfect Competition

J.V.ロビンソンの著作。現実の経済においては,完全競争の想定に反して,運送費,財の主観的差別化,付随的便宜,広告などのため,市場の不完全性が存在している。このとき個別企業の直面する需要曲線は右下がりとなり,各企業家は限界収入と限界費用が等しくなる点において供給量,価格を決定する。こうした状態では,企業の産出量は平均費用が最小となるような産出量よりも小さくなり,過剰生産能力均衡の状態になることを示した。マーシャル経済学の「他の事情一定」という部分均衡論特有の仮定と,収穫逓増をもたらす外部経済の存在とが引起す不整合を突いた P.スラッファの論文に刺激され,本書を著わしたロビンソンであったが,本人はこの書物を静態的均衡を前提とするものだとして,関心を向けなくなった。

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