不斉触媒(読み)フセイショクバイ

デジタル大辞泉 「不斉触媒」の意味・読み・例文・類語

ふせい‐しょくばい【不斉触媒】

不斉合成に用いられる触媒不斉配位子をもつ遷移元素錯体などがある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「不斉触媒」の解説

不斉触媒
フセイショクバイ
asymmetric catalyst

エナンチオ区別触媒ともいう.平面性出発物質から光学活性物質を生成させる能力をもつ.それ自身が光学活性な触媒で,D-酒石酸とNaBrを表面に吸着させた不均一系のラネーニッケル触媒を用いてβ-ケトエステルを接触還元すると,(R)-3-ヒドロキシ酸エステルが光学収率90% で得られることが見いだされた.後年,光学活性なリン化合物を配位子とする均一系のウィルキンソン錯体オレフィンの不斉触媒還元の触媒作用をもつことが見いだされてから,種々の配位子をもつ金属錯体が開発されてきた.最近は軸不斉をもつBINAP(バイナップ)NAPHOS(ナホス)の錯体が主流になってきている.また,還元以外の反応についても不斉触媒が開発されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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