ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「不法妨害」の意味・わかりやすい解説 不法妨害ふほうぼうがいnuisance 英米法上,他人に害を及ぼし,そのため訴訟原因を発生せしめる人の行為または物理的条件をいう。ニューサンスの訳語。公共の場所または公共の土地において惹起せしめられる公共の不法妨害,すなわち,社会全般の道徳,安全,健康を害する不法妨害は,国家に害を及ぼす刑事犯罪と考えられる。また,私的不法妨害といわれるものは,近隣者の私有地に現実に侵入すること (→不法侵害 ) なく,その土地の使用,享有に不当に干渉する行為ないしは状態をいう。したがって,異常な騒音,有毒な蒸気,不快な臭気,振動などは,現実に近隣の土地の地上ないしは地下に対してなんらの物理的侵害を犯す行為ではないが,近隣の土地保有者に対する私的不法妨害を構成する。公的不法妨害自体を理由に訴えを提起しうる当事者は国家に限られ,その場合,刑事手続,差止命令,または物理的除去という処理がとられる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by