不法電波(読み)ふほうでんぱ

改訂新版 世界大百科事典 「不法電波」の意味・わかりやすい解説

不法電波 (ふほうでんぱ)

無線局を開設するときは,発射する電波が一定のレベル以下の微弱な無線局および市民ラジオの無線局を除き,電波法規定に基づき郵政大臣免許を受けなければならない。この規定に違反して,免許を受けずに開設された無線局を不法無線局といい,これから発射される電波が不法電波である。電波は,光や音と同じように空間を伝播していく性質があること,また有限なものであることから,これを野放しにしておくと人類共有の貴重な資源である電波が互いに混信して使えなくなってしまうため,国際的には国際電気通信条約によって,周波数の割当て,無線設備の技術基準,無線局の運用方法等が取り決められているのを受けて,日本では電波法により電波の監理が行われている。近年,ハイパワー市民ラジオと呼ばれる26MHzから28MHzまでの周波数帯の高出力,多チャンネルの無線機を使用する不法無線局が全国的にふえ,放送の受信障害などが生じている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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