与田 銀次郎(読み)ヨダ ギンジロウ

20世紀日本人名事典 「与田 銀次郎」の解説

与田 銀次郎
ヨダ ギンジロウ

明治・大正期の実業家 輸出織物の先駆者。



生年
安政5年1月10日(1858年)

没年
大正4(1915)年8月25日

出生地
備中国児島郡日比村(岡山県倉敷市)

経歴
幼少時に父母を亡くしたため叔父の家で育てられ、8歳で他家奉公に出る。明治11年叔父の店に入り、岡山県児島で小倉真田や醬油の製造・販売に従事した。23年朝鮮半島を視察した際に韓人紐の存在を知り、帰国ののちその製造と輸出を開始して販路の拡大に成功。さらに日露戦争後には中国人が用いる腿帯子を製品化し、量産体制を確立。38年本格的に中国大陸での商圏拡大をはかって拠点を大連に移転、これを機に児島の織物業者が続々と海外に進出するようになった。また、染料の開発・製造も行い、第一次世界大戦の影響で輸入が激減した硫化黒の国産に着手するが、完成を見ずして死去した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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