世保郷・世保庄(読み)よやすごう・よやすのしよう

日本歴史地名大系 「世保郷・世保庄」の解説

世保郷・世保庄
よやすごう・よやすのしよう

世保郷は南北朝期にみられる山県郡の郷名で、建武五年(一三三八)四月一八日の源若熊丸・同国義連署仏像造立願文(立政寺文書)に「山県郡春近世保郷之内安養寺本仏無量寿如来座像」とあり、同じ日付・内容の源(多治見か)国貞の仏像造立願文(同文書)も残されている。世保郷との関係は不明であるが、世保庄は建長二年(一二五〇)一一月日の九条道家初度惣処分状(九条家文書)に、尚侍殿(藤原子)新御領のうちに「美濃国世保庄」とみえる。「尊卑分脈」によれば、世保を名字とするものに世保兵衛入道・世保又二郎盛俊・世保孫二郎貞頼があり、また室町期には土岐康行の子康政が世安(世保)を名字としており、土岐氏が地頭であったものと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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