世界守護神(読み)せかいしゅごしん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「世界守護神」の意味・わかりやすい解説

世界守護神
せかいしゅごしん

インドの二大叙事詩マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』の成立した時代において,世界の8つの方角を守護すると考えられるようになった神々。サンスクリット語でローカパーラ Lokapālaという。 (1) 東方-インドラ,(2) 南東-アグニ,(3) 南方-ヤマ,(4) 南西-スーリヤ,(5) 西方-バルナ,(6) 北西風神 (パバナあるいはバーユ) ,(7) 北方-クベーラ,(8) 北東-月神 (ソーマあるいはチャンドラ) 。以上の8神は叙事詩のなかでも主要な神とされている。あるいは,南西にニルティ,北東にイーシャーナを配することもある。このような八大守護神の観念は大乗仏教密教にも採用され,護世八方天として行者が順次に観想崇拝すべきものとされている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android