世碩(読み)せいせき(その他表記)Shì Shí

改訂新版 世界大百科事典 「世碩」の意味・わかりやすい解説

世碩 (せいせき)
Shì Shí

中国古代思想家生没年不明。陳(河南省)の人。《世子》21篇を著したと伝えられるが,つとに亡失した。後漢の王充の《論衡》によると,周の時代に,世碩は〈人の性には善なる要素と悪なる要素とがあり,その善性を養い育てれば善人となり,悪性を助長すれば悪人になる〉と述べたという。これは性についての最も早い論述であろう。王充はその説をすこぶる正鵠(せいこく)を得たものと称揚している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の世碩の言及

【性論】より

…人間の本性は善なのか悪なのかという問題は,中国思想史を貫く大きな論題であった。すでに戦国時代の初期において,世碩(せいせき)なるものにより人の本性は善悪の両面への可能性をもつとする説が出されたという(《論衡》本性篇)。人の本性をめぐる孟子と告子の論争はあまりにも名高い。…

※「世碩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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