並河 理二郎(読み)ナビカ リジロウ

20世紀日本人名事典 「並河 理二郎」の解説

並河 理二郎
ナビカ リジロウ

明治・大正期の実業家,政治家 安来製鋼所社長;衆院議員(政友会)。



生年
万延1年8月11日(1860年)

没年
大正15(1926)年6月4日

出生地
出雲国安来(島根県安来市)

経歴
出雲安来の名家・並河家に生まれ、明治10年家督を継いで同家14代目の当主となった。以来、稲の品種改良や養蚕を奨励するなど農事の改良に尽力。その傍らで、安来製糸場・安来銀行・山陰電気会社などを興すなど、実業家としても活躍した。更に、政界でも活動し、島根県議や安来町長などを歴任。明治27年には衆院議員に選出され、政友会に所属、3期を務めた。大正5年安来製鋼所(現・日立金属安来工場)を設立して社長となり、第一次大戦後の不況下において和鋼の地位を守り続けた。また、漢学者山村勉斎の高弟として漢学や書画も嗜み、自宅を開放して若い芸術家を保護・指導し、町の文化の発展にも貢献。このため、安来からは河井寛次郎や米原海雲・永井飄斎らすぐれた芸術家を輩出した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報