中島名左衛門(読み)なかじま・なざえもん

朝日日本歴史人物事典 「中島名左衛門」の解説

中島名左衛門

没年:文久3.5.29(1863.7.14)
生年:文化14(1817)
幕末の洋式兵学者。長州(萩)藩士。諱は喜勝。長崎生まれ。高島秋帆 の門に入って洋式砲術を学ぶ。安政6(1859)年長州藩に招かれて洋式砲術を藩士たちに指導し,また藩の方針に従って軍制を西洋式に改革する。文久3(1863)年,攘夷に備えて下関砲台の築造工事を命じられ,日夜工事を督励して完成させた。下関砲撃事件(1863)において4国連合艦隊と砲撃戦を交えた長州藩の砲台は,このとき名左衛門が指導して建造したものである。彼の重用を嫉視する藩士によって襲撃され落命した。

(所荘吉)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中島名左衛門」の解説

中島名左衛門 なかじま-なざえもん

1817-1863 江戸時代後期の兵法家。
文化14年生まれ。高島秋帆(しゅうはん)の門で西洋砲術をまなぶ。文久3年長門(ながと)(山口県)萩(はぎ)藩にまねかれ,砲術教授,砲台築造にかかわる。同年5月29日下関で暗殺された。47歳。肥前高来郡(長崎県)出身本姓中村。名は喜勝。号は松堂。通称は別に孝平。著作に「三兵答古知機」など。

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