中村別符(読み)なかむらべつぷ

日本歴史地名大系 「中村別符」の解説

中村別符
なかむらべつぷ

中村川流域にあった国衙領。文治四年(一一八八)と推定される七月一三日の源頼朝御教書案(「吾妻鏡」同日条)に中村別符とみえ、同じく同一一月二六日の源頼朝書状案(同書同二二日条)、また同一一月二三日の隠岐国在庁官人宛源頼朝下文案(同書同二二日条)によれば、平家没官領として御家人藤原重頼に犬来いぬぐ宇賀うか(現西ノ島町)両牧が与えられたが、重頼がそれらを越えて国衙領にも勢力を拡大し、中村別符などをも支配しようとしたため国司仲国が後白河上皇に訴え、その命を受けた頼朝が重頼の非法を停止するとともに、在庁官人に対し中村別符を含む国衙支配を遂行するよう命じている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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