中村廃寺(読み)なかむらはいじ

日本歴史地名大系 「中村廃寺」の解説

中村廃寺
なかむらはいじ

[現在地名]山鹿市中 権現森

熊野社境内に塔心礎があり、周囲から布目瓦が出土する。塔心礎は長径一・六七メートル、短径一・一メートルで、上部平坦面に直径四二センチ、深さ六センチの心柱を納める穴が刻まれる。周辺から平安中頃の布目の残る平瓦・軒平瓦・丸瓦・軒丸瓦・鬼瓦などが出土するので、古代寺院に付属する三重塔が存在したことは明らかである。寺院は十三部じゆうさんぶ台地の南斜面を利用し、南面して所在したと推定されるが、ここ以外からは布目瓦の出土はみないので、塔のみが瓦葺で他の建物は茅葺であったと推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android