朝日日本歴史人物事典 「中村里好」の解説
中村里好(初代)
生年:寛保2(1742)
江戸中期の歌舞伎役者。俳名里好,屋号堺屋。初代中村歌右衛門の門弟。初名千三郎を経て宝暦初年から中村松右衛門を名乗って上方で修業,若女形として成長した。宝暦11(1761)年江戸に下って松江と改名し,以後江戸で活躍した。里好と改めたのは安永2(1773)年のこと。美貌の女形で人気があり,得意な役柄は世話女房や傾城などであった。なお前名の松右衛門は,子供芝居で好評を得た「ひらがな盛衰記」の役名をそのままとったもの。里好の名は2代目(のちに初代嵐璃光となる)までだが,前名の松江は若女形の名として現代の5代目まで続いている。<参考文献>『日本庶民文化史料集成』6巻
(池山晃)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報