中洲雀(読み)なかずすずめ

改訂新版 世界大百科事典 「中洲雀」の意味・わかりやすい解説

中洲雀 (なかずすずめ)

洒落本。道楽山人無玉(どうらくさんじんむぎよく)作。1777年(安永6)刊。1冊。作者の夢にあらわれた浅草因果地蔵尊が世相を論ずる。とくに安永1年大川(隅田川)に築き立てられて,同4年には家屋が立ち並んで行楽地遊里として栄えた中洲新地(現,中央区日本橋中洲のあたり)をとりあげて,その風俗料理茶屋見世物などを狂文風に描き,よく情景をつくしている。89年(寛政1)には取り払いになった中洲を扱った最初の洒落本として注目される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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