インド大乗仏教の重要な思想で,これにもとづく中観派は唯識(ゆいしき)学派とともに大乗二大学派を形成した。すべての存在は諸原因が集まって仮に生起したものにすぎず(=縁起(えんぎ)),それ自体に固有の実体はない(=無自性(むじしょう))とする『般若経』(はんにゃきょう)の「空(くう)」思想にもとづき,一切の執着を捨て有無などの極端な考えを離れるべきである(=中道)と説く。ナーガールジュナ(竜樹(りゅうじゅ))によって説かれ,アーリヤデーヴァ(聖提婆,170~270頃)が継承し,ブッダパーリタ(仏護,470~540頃)のプラーサンギカ(帰謬(きびゅう)論証派)とバヴィヤ(清弁,490~570頃)のスヴァータントリカ(自立論証派)に分派したとされる。中国で成立し日本に伝わった三論宗は,竜樹の『中論』『十二門論』,聖提婆の『百論』を研究する学問であり,中観派の系列に属する。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...