中間軌道(読み)ちゅうかんきどう(英語表記)intermediate orbit

改訂新版 世界大百科事典 「中間軌道」の意味・わかりやすい解説

中間軌道 (ちゅうかんきどう)
intermediate orbit

惑星衛星の公転運動は,多体問題が解けないので摂動方法で解かれる。多くの場合はケプラー運動土台としてこれに摂動を補正して実際の複雑な運動を求めている。この場合のケプラー運動のように,摂動補正の土台となる多体問題の近似解を中間軌道という。ケプラー運動より複雑な中間軌道として著名なものには,アメリカの天体力学者G.W.ヒルが月運動論で採用した変差軌道がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android