主要組織適合性抗原(読み)しゅようそしきてきごうせいこうげん(その他表記)major histocompatibility antigen

知恵蔵 「主要組織適合性抗原」の解説

主要組織適合性抗原

臓器の提供者(ドナー)と受容者(レシピエント)とが異なる遺伝子を持っていると、受容者は移植臓器の細胞を異物(非自己物質)として排除しようとする拒絶反応を起こす。免疫応答が働いて、抗体や感作リンパ球が作られる結果、移植臓器が障害を受け、機能しなくなったり、移植片が脱落したりする。この原因となる物質を組織適合性抗原という。この中でも、特に重要な働きをしている抗原を主要組織適合性抗原と呼び、人の主要組織適合性抗原をHLA(human leukocyte antigen)という。臓器移植を行う場合、提供者と受容者のHLA型が完全に一致しなくても、よく似ていれば拒絶反応は起きにくい。拒絶反応に対しては免疫抑制剤投与が行われる。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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