久慈西郡(読み)くじさいぐん

日本歴史地名大系 「久慈西郡」の解説

久慈西郡
くじさいぐん

中世の俗称郡名。古代の久慈郡から一二世紀前半に分立したと推定される。およその郡域は現在の那珂町酒出さかいで以北の久慈川西岸地帯と考えられる。弘安大田文には久慈東郡に続き、「同西二百四十八丁八段百四十歩」とある。

平安末期、奥七郡のうちの一郡として佐竹氏の支配下にあったが、治承四年(一一八〇)源頼朝に没収され、久慈東郡とともに頼朝側近の南家流二階堂氏に与えられた。弘安八年(一二八五)霜月騒動巻添えで二階堂氏が没落した後は得宗領化されたと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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