乱離(読み)ラリ

デジタル大辞泉 「乱離」の意味・読み・例文・類語

ら‐り【乱離/羅利】

[名・形動]《「らんり」の音変化か。近世語》「乱離骨灰らりこっぱい」に同じ。
頼政のむほん茶の木を―にされ」〈柳多留・四〉

らん‐り【乱離】

国が乱れて人々が離散すること。「戦国乱離の世」

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精選版 日本国語大辞典 「乱離」の意味・読み・例文・類語

らん‐り【乱離】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 国が乱れて人々の離散すること。
    1. [初出の実例]「雕章麗筆、非唯百篇、但時経乱離、悉従煨燼」(出典懐風藻(751)序)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐宣公一二年〕
  3. 乱れ散らばること。
    1. [初出の実例]「惣仮名文の世に利益なきのみならず、記事論説に、乱離牴牾の弊害を生ずるを知るに」(出典:仮名の会の問答(1883)〈大槻文彦〉)

ら‐り【乱離・羅利】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )( 「らんり(乱離)」の変化した語か ) =らりこっぱい(乱離粉灰)
    1. [初出の実例]「一町の夢乱理にする騒徒うち」(出典:俳諧・うたたね(1694))

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普及版 字通 「乱離」の読み・字形・画数・意味

【乱離】らんり

喪乱。唐・劉長〔李録事兄の襄に帰るを送る〕詩 白首相ひふ、征戰の後 春已にぐ、亂離の中

字通「乱」の項目を見る

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