生繭(なままゆ)を乾燥すること,または乾燥した繭のことをいう。乾繭は蚕蛹を殺して発蛾を防ぐことと,蛹体の含有水分をある程度まで蒸発させ,長期間貯蔵しても腐敗したり,カビが発生しないようにするために行われる。繭乾燥の程度を乾燥歩合といい,乾燥後の重量の原量に対する百分率で表す。乾燥歩合は40~45%程度に仕上げられる。乾燥方法は今日では熱帯地方で行われている天日乾燥をはじめ真空乾燥,赤外線乾燥,気熱乾燥などがあるが,最も安全かつ経済的な気熱乾燥法が広く普及している。気熱乾燥法は蒸気を熱源とし,熱交換器で加熱した空気を乾燥室に送るもので,乾燥温度は120℃前後から60℃前後に至る変温乾燥が5~6時間行われる。乾繭機は構造により,台車式乾繭機,バンド式乾繭機(気熱式,熱風式),低温風力乾繭機などに分類される。
執筆者:小河原 貞二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…繭から生糸を作る諸工程の総称。広義では玉糸や野蚕(やさん)糸を作ることを含めることがあるが,一般にはカイコの作る繭を原料として生糸を作るための,生繭(なままゆ)の乾燥(乾繭(かんけん)),貯繭,原料調整,煮繭,繰糸(そうし)および揚返し,仕上げなどの一連の工程をいう。(1)乾繭 生繭を乾燥するのは,殺蛹(さつよう)して発蛾(はつが)を防ぎ,長期間貯蔵しても,カビが発生しないようにすることを目的としている。…
※「乾繭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新