予定納税制度(読み)よていのうぜいせいど

日本大百科全書(ニッポニカ) 「予定納税制度」の意味・わかりやすい解説

予定納税制度
よていのうぜいせいど

わが国の所得税申告納税制度を採用しており、納税者が自ら自己の所得と納税義務額を算出して申告し、納税することになっている。この申告を基にして、暦年経過後の3月15日までに行う確定申告を最終的な手続とするのであるが、他方、確定申告に先だって、国の歳入の平準化と納税者の納税便宜のために、その年の所得税の額を予定して分割納付する制度が採用されている。この制度を予定納税制度とよぶ。

 予定納税基準額は、前年分の課税総所得金額にかかわる所得税の額から、前年分の課税総所得金額の計算の基礎となった各種所得につき源泉徴収をされた、またはされるべきであった所得税の額を控除した額であるが、この額が15万円以上の場合には、第一期(その年の7月1日から31日までの期間)および第二期(その年の11月1日から30日までの期間)に、予定納税基準額の3分の1に相当する金額の所得税を納付しなければならないとされている。

 税務署長は、予定納税をすべき納税者について、その年の5月15日の現況により予定納税基準額を計算し、その予定納税基準額と第一期および第二期において納付すべき予定納税額を6月15日までに書面により通知する。

 なお、その年の農業所得の7割超が9月以降に生ずる特別農業所得者については、9月15日の現況によって予定納税基準額を計算し、その予定納税基準額と第二期に納付すべき予定納税額(予定納税基準額の2分の1)を10月15日までに書面により通知することになっている。

[林 正寿]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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