事故頻発性(読み)じこひんぱつせい(その他表記)accident proneness

日本大百科全書(ニッポニカ) 「事故頻発性」の意味・わかりやすい解説

事故頻発性
じこひんぱつせい
accident proneness

事故傾向性ともいう。安全に関係する適性が欠如し、事故の潜在的な可能性を有することをいう。いいかえれば、職務の種類や職場の違いとは無関係に、他の従業員と比較して高い事故率を保持する傾向があるかどうかということである。事故頻発性の存在については、グリーンウッドM. GreenwoodとウッズH. M. Woodsによって行われた統計的研究をはじめとして、それを支持する結果を報告している者が多い。しかし、一部には、事故頻発性の存在を疑問視する者もいる。

 一般的事故頻発性の原因として種々の要因が考えられているが、かならずしも十分な証拠はない。むしろ、事故頻発性は状況的situationalなものと考えられている。九州大学の船津孝行(1925― )が1961年(昭和36)YGⅡテストを用いて行った研究によれば、事故頻発者群は、情緒不安定で、社会的に不適応であり、いくぶん衝動的、外向的、支配的な傾向がある。また、内田クレペリン精神作業検査では、事故頻発者には、作業量が低い者や作業曲線が異常型を示す者が多いことが報告されている。

[上田雅夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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