一定の作業時間のなかで、時間の経過に関係して現れる作業成績の変化のプロセスをいう。一定の作業時間としては通常、1日が用いられ、作業成績は作業結果の量・質・速度などで表現される。1902年にドイツの精神医学者クレペリンが初めて発表して以来、多くの改良が加えられてきた。
曲線の具体的経過は、各人に関する後述の諸要因によって相違するが、多数人に共通する人間の生理現象を示す生理的作業曲線は、基本的に次のような経過をたどる。まず朝に作業を開始すると、当初は作業成績が低く、時間の経過とともに作業に慣れて、曲線は上昇していく。やがて曲線は最高点に達し、疲労の加重によって下降する。昼食休憩後の経過は同一であるが、最高点は午前中よりも早く到来し、しかもその高さは午前中のそれよりも低い。
作業曲線の経過を規定する要因には、次のものがある。第一は、作業者に関する要因で、知能、感情、意志、体力、健康、疲労、年齢、習熟度、性別などである。第二は、作業そのものに関する要因で、手作業と機械作業の別、単純反復作業と複雑個別作業の別、肉体中心作業と頭脳中心作業の別などである。第三は、作業条件に関する要因で、休憩、作業時間、交替制、照明、通風、色彩、騒音、温度、湿度、時刻、天候、季節などである。
最近では、以上の諸要因以外に人間関係的要因が重視され、これが決定的であるとする考え方さえ存在している。作業曲線に配慮した作業の設計・配分・遂行方法を採用すれば、疲労は少なく、しかも作業能率の上昇が期待できることになる。
[森本三男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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