知恵蔵 「事業仕分け」の解説
事業仕分け
行政刷新会議の事業仕分けでは、各府省の概算要求に盛り込まれた事業のうち約450事業を対象に、事業ごとに「そもそも必要な事業か」「国が担うべきか地方が担うべきか」「来年度行う必要があるか」「事業内容などに改革の余地があるか」などの観点から評価し、「予算要求通り」「予算縮減」「見直し」「廃止」などに仕分けた。仕分け作業は、国会議員や学者、自治体職員らからなる3チームが、9日間にわたって行った。各府省による事業の説明と財務省による査定の説明の後、評価者(仕分け人)が質疑・議論を経て各自評価シートに結果と理由を記載し、それらを集約してチームの結果を公表する流れで、一連の作業時間は約1時間。仕分け作業は公開され、インターネットでも中継された。会場に多くの傍聴者が訪れるなど、国家予算の編成過程に国民の関心が集まった。事業仕分けの結果に法的強制力はなく、この結果を判断材料の一つとしてどのような予算を組むかは政治家の責任である。
(原田英美 ライター / 2009年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報