改訂新版 世界大百科事典 「二星流説」の意味・わかりやすい解説
二星流説 (にせいりゅうせつ)
太陽付近の星々(高速度星は除く)の速度分布が,二つの速度重心のまわりの球状分布に分けられるという説で,1904年J.C.カプタインが唱えた。太陽から見ると,星々の運動は,これらの両速度重心C1とC2に向かう流れのまわりに分布するので,二星流説という。約5300個の明るい恒星についての解析によれば,第1・第2星流の速度はそれぞれ31km/sと16km/s,各星流中の星の特有運動は,いずれも15km/sの分散をもつ正規分布で,両星流に所属する星数の比は0.55対0.45である。そこで星全体の速度分布は図のような形となる。
執筆者:高瀬 文志郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報