オランダの天文学者。バーネフェルトに生まれ、ユトレヒト大学で修学。1875年ライデン天文台研究員となり、1878年フローニンゲン大学の天文学・力学教授に就任した。1896年各国の天文台と提携して星野写真の組織的調査を遂行、とくにギルDavid Gill(1843―1914)の写真乾板を資料として1900年に『ケープ写真星表』3巻を刊行した。これには南天45万4875個の恒星の位置、光度、運動が収録された。1906年恒星の統計的研究を計画、全星野から無差別に206区を選択し、各区ごとに含有星数、視等級、固有運動を集計した。これにより平行運動をする星団を確認、その平均視差(共同距離)を算定して秒速242キロメートルの高速度星をがか座に発見した(カプタイン星)。また反対方向に流動する二大星流を確認した。これらの統計的処理により1922年恒星集団系の規模を想定したが、それは直径5万5000光年、厚さがその5分の1の扁球(へんきゅう)で、銀河系構造論、統計天文学の開拓者となった。
[島村福太郎]
オランダの天文学者で,写真術の応用に業績があった。ユトレヒト大学を出てライデン天文台に入り,写真術を用い全天の星を記録,観測するという壮大な計画を立てて,20世紀の初めの四半世紀をふうびした。彼は,南アフリカのケープ天文台においてD.ギルが撮影した写真を測定し,赤緯-18°以南の45万4875星の《ケープ写真星表》(1896-1900)を発表した。星表を出版するかたわら恒星の空間分布と運動の統計的研究を進めて,恒星の運動は銀河面に平行な対向する2星流からなるとした(1904)。この説はM.シュワルツシルトの速度楕円体分布説に引き継がれ(1907),後の銀河系の構造概念へと発展した。このほか,がか座にある高速度星を発見,GCカタログで6369番のこの星はカプタイン星と呼ばれている。
執筆者:石田 蕙一
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