改訂新版 世界大百科事典 「二次計画法」の意味・わかりやすい解説
二次計画法 (にじけいかくほう)
quadratic programming
略称QP。数理計画法の一種であって,線形等式あるいは線形不等式で与えられる制約のもとでの二次関数の最小値または最大値を求める方法。回帰分析,ポートフォリオ分析のように,元来目的関数が二次式である場合だけでなく,二次式以外の非線形の目的関数を二次式に近似する場合にも適用される。
最適条件
実行可能解の領域は,線形計画法の場合と同じく凸多面体になるが,最適解は,頂点の中に存在するとは限らず,頂点以外の境界上に存在することも,凸多面体の内部に存在することもある。実行可能解が最適であるための必要条件には,線形等式,線形不等式のほかに,2変数の積が0である(すなわち,2変数のうち少なくとも一方が0である)という条件が加わる。これは,凸である二次式を最小にする場合(または,凹である二次式を最大にする場合)には,十分条件にもなっている。
ウルフP.Wolfe,ダンツィグG.B.Dantzig,ビールE.M.Bealeなどの多数の研究者によって解法が開発されているが,線形計画法における単体法を変形したものが多い。
執筆者:古林 隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報