日本大百科全書(ニッポニカ) 「五指山」の意味・わかりやすい解説
五指山
ごしざん / ウージーシャン
中国、海南(かいなん)省の海南島中央部南寄りの県級市。島の中央部の中心地区であり、リー族、ミャオ族(苗(びょう)族)が集中している。島内南北交通の中枢をなす。人口11万2695(2012)。旧称は通什(つうじゅう)。通什とはリー族の言葉で「樹の下の耕地」の意味だという。もと保亭(ほてい)県に属する鎮であったが、1953年通什鎮はリー族ミャオ族自治州の州都となった。1986年市制施行。1987年自治州がなくなり、海南省の直接管理する県クラスの直轄行政単位となった。2001年五指山市と改称された。
海南島の中央山地内にあり、もとは野生動物の出没するマラリア流行地であったが、解放以来の開発の進展により市街地化した。木材加工、機械、セメント、ゴム、皮革などの工場と水力発電所が完成、海南島南北縦貫道中央線は貫通したが、高速道路は建設中である。病院、学校などの施設も整備されている。島内観光の拠点で、国営や外資と合弁のホテルが建ち並ぶ。
[河野通博・編集部 2016年12月12日]