井堀遺跡
いぼりいせき
[現在地名]草津町前口
吾妻川支流の遅沢川と巌洞沢川とに挟まれた台地先端、標高九六一メートルの南面する緩傾斜地に位置する。九世紀の竪穴住居跡で、遺跡の広がりは方五〇〇メートルほどに及ぶとみられ、そのうちの一軒が調査された。住居は不正方形の平面形で四・五×四・九メートル、四隅に四個の主柱穴、東壁中央に竈を設けている。東壁南半および南壁東半部分を除いて壁下に周溝がめぐる。竈は石組の焚口部が住居内に張出し、幅四五センチ、奥行八〇センチで、煙道を壁外に延ばしている。竈の前面および右脇に遺物が集中して検出された。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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