井神社(読み)くずいじんじや

日本歴史地名大系 「井神社」の解説

井神社
くずいじんじや

[現在地名]茅野市ちの 上原

上原うえはらの中央にあり、諏訪大社上社の末社一三ヵ所の一つ。祭神は槻井泉神。諏訪明神の年中神事の最後を飾る葛井神事は古来より存続している。大晦日に、前宮の御室の儀式を終えた後、一年中の神事に用いた幣帛・榊・柳の枝・柏の葉を葛井神社に送り、寅の刻に御室の「みあかし」を合図に境内の葛井池に投下する。これらの幣帛は翌朝遠江国の「さなぎの池」に浮き上がると伝えられる(諏方大明神画詞・諏訪神社祭典古式・諏訪上社物忌令)。このさなぎの池と結び付いた伝承は、「諏方効験」に「楠井の池の波の白木綿懸くとみえて、国の界もとをき海の、さなきの汀に浮ぶなる」とみえ、鎌倉時代からあった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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