交じる(読み)まじる

精選版 日本国語大辞典 「交じる」の意味・読み・例文・類語

まじ・る【交・混・雑】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 他の物の中にはいり合う。また、他の人の中にはいっていっしょになる。まざる。
    1. [初出の実例]「残りたる雪に末自例(マジレ)る梅の花早くな散りそ雪は消ぬとも」(出典万葉集(8C後)五・八四九)
    2. 「宮よりも、明石の君の、恥づかしげにてまじらむを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  3. 交際する。つきあう。まじらう。まじろう。
    1. [初出の実例]「諒闇になりにければ、さらに世にもまじらずして、ひえの山にのぼりて、かしらおろしてけり」(出典:古今和歌集(905‐914)哀傷・八四七・詞書)
  4. なかに分け入る。
    1. [初出の実例]「たけとりの翁といふもの有けり。野山にまじりて竹を取りつつ、万(よろづ)の事に使ひけり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  5. ( 否定表現を伴うことが多い ) 雑念余念などが入りこむ。
    1. [初出の実例]「ただこの君ひと所の御事を、まじることなういそい給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例