改訂新版 世界大百科事典 「交項級数」の意味・わかりやすい解説
交項級数 (こうこうきゅうすう)
alternating series
a1,a2,……,an,……がすべて≧0であるとき,の形の級数を交項級数という。すなわち,交項級数とはa1-a2+a3-a4+……の形に,正の項と負の項が交互に現れる級数であって,交代級数とも呼ばれる。数列{an}が単調減少で,n→∞のときan→0となるならば,
は収束する。これをライプニッツの定理という。たとえば,級数,は発散するが,は収束する。これらの級数の和は,それぞれlog2,π/4となることが知られている。なお,次の例も有名である。|x|<πならば, ライプニッツの定理は広義積分の収束の証明にも応用される。たとえば,積分,は,区間(n-1)π<x≦nπにおける積分を第n項とする交項級数となって,収束する。
執筆者:伊藤 清三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報