精選版 日本国語大辞典 「級数」の意味・読み・例文・類語
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数列a1, a2,……, an,……があるとき、これをプラスで結んだa1+a2+……を級数という。これを記号で
と表す。これは、数列a1, a2,……を順に足していくとどうなるか、ということが問題とされるということである。いま、
sn=a1+a2+……+an
として、これを級数a1+a2+……の部分和という。この部分和のつくる数列s1, s2,……がある値sに収束するとき、級数a1+a2+……は収束して、その和はsであるといい、これを
で表す。そうでないときは、級数は発散するという。とくにsnが正の無限大に発散するとき、級数は正の無限大に発散するという。級数の各項が正の数(非負の数)であるとき、この級数を正項級数という。また、級数の各項の絶対値をとってつくった級数が収束するとき、この級数は絶対収束であるという。ディリクレおよびリーマンは、級数が収束ではあるが絶対収束ではないときは、項の順序を適当に変更すれば、任意の値に収束させたり、あるいは発散させたりできることを示した。
級数についての次の二つの性質は、解析学のバックボーンとなる重要な定理である。
〔1〕正項級数は、収束するか、または正の無限大に発散する。そしてその状態、あるいは収束したときの和は、級数の項の順序を入れ替えたり、あるいは項をくくり直したりしても影響がない。
〔2〕絶対収束級数は収束する。そして、その和は、級数の順序を入れ替えたり、あるいは項をくくり直したりしても影響がない。
いろいろな級数が古くから考察され、その和を求める方法もいろいろくふうされた。いろいろな値を求めるとき、級数を利用することが多い。しかし、特別な場合を除いて、部分和の表示をつくり、それがどうなっていくかを見定めることは困難である。そこで、級数が収束するか発散するかを判定する方法がいろいろ考案された。次はその一つである。二つの正項級数
があって、その項の間に、an≦bn (n=1, 2,……)という関係が成り立っているとする。このとき、(2)が収束するならば(1)も収束する。また、(1)が発散するならば(2)も発散する。
級数の項の符号が交互にプラス、マイナスを繰り返すとき、交項級数または交代級数という。交項級数に関する次の定理は、実用的な意味をもっている。
が交項級数で、|a1|≧|a2|≧……、かつ
ならば、この級数は収束する。そして、その和をsとするとき、部分和snについて、
|sn-s|≦|an+1|
が成り立つ。
級数の積をつくったりする必要もおこる。
というような計算ができるとよいが、たとえば
がともに収束で、とくにその一方が絶対収束ならば、このことは成り立つ。
級数が発散するときも、これに適当な方法である値を付与し、これを利用することを考えることがある。たとえば、チェザロの総和法は
とする。アーベルの総和法は、
として、
を求める。これによれば、発散する級数
1-1+1-1+……
には、どちらの方法によっても、1/2という値が付与される。
[竹之内脩]
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