京都新城(読み)きょうとしんじょう

知恵蔵mini 「京都新城」の解説

京都新城

豊臣秀吉が、死去する前年の慶長2(1597)年に築いた最後の城。現在の京都府京都市にある京都御所南東にほぼ隣接して築かれた。息子の秀頼が、京都を訪れる際や官位を授けられたときに滞在したとされ、秀吉の死去後は、正室高台院が利用したとされる。当時の公家の日記などには、正式名称がなく、太閤御所や太閤御屋敷、新城などと呼ばれていたことや、敷地東西約400メートル、南北約800メートルで、現在の京都御所の約3倍に相当する広さであったことなどが記されている。しかし文献史料は少なく、これまで実態不明な「幻の城」とされてきた。2020年の京都市埋蔵文化財研究所による発掘調査で石垣と堀の遺構とみられるものが初めて見つかり、今後のさらなる調査や研究による実態解明が期待されている。

(2020-5-14)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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