日本大百科全書(ニッポニカ) 「京都東山文庫」の意味・わかりやすい解説
京都東山文庫
きょうとひがしやまぶんこ
東山御文庫(ごぶんこ)、東山文庫ともいう。旧近衛(このえ)邸にあった東山倉と称された土蔵を京都御所内に移築したもので、皇室に伝来した平安時代以降の典籍、記録、文書、書蹟(しょせき)などを納める。宮内庁管轄。1927年(昭和2)臨時東山御文庫取調掛による調査整理、目録作成が完成。総点数約4万8000点のうちには、嵯峨(さが)、宇多(うだ)天皇をはじめ歴代天皇の宸翰(しんかん)・宸記(しんき)、『明月記(めいげつき)』『野府記(やふき)』『御湯殿上日記(おゆどののうえのにっき)』などの記録類のほか、多数の典籍、記文、文書などが含まれ、一部は東京大学史料編纂(へんさん)所により写本が制作された。原本は勅封のもとに保管されている。
[権平慶子]