人口11億人(読み)じんこう11おくにん/じんこうじゅういちおくにん

知恵蔵 「人口11億人」の解説

人口11億人

国連人口基金の「世界人口白書」によるインドの2006年の推計人口は11億1950万人。中国(13億2360万人)に次ぐ世界第2の人口規模だ。人口増加率は全国平均1.5%で、都市部ではさらに高い増加率を示している。また、1人の女性が一生の間に生む子供の数を示す合計特殊出生率は2.85人。少子化が深刻な日本が1.25人なのに比べて、高い増加ぶりを示している。人口増加率は1997年が1.8%だったのを考えると、伸びが鈍ってはいる。だが、絶対数ではオーストラリアの全人口に近い1600万人が増え続けており、2050年の人口は15億9270万人になると予測され、中国(13億2364万人)をはるかに上回って世界最大になる見通しだ。インドの人口は1901年には2億3800万人だったが、61年4億3900万人、91年8億4600万人と増え続けてきた。世界銀行の推計によると、現在もインドの全人口のうち貧困層は4億人余りいて、依然としてインドが世界の貧困層のうち約4割を占めているという。人口増加圧力が貧困を再生産するという悪循環が続いている。中国が「一人っ子政策」を義務づける人口抑制をしたのに比べ、インドは選挙への悪影響も恐れて厳しい人口抑制策はとりにくい事情もある。

(竹内幸史 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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