デジタル大辞泉
「合計特殊出生率」の意味・読み・例文・類語
ごうけい‐とくしゅしゅっしょうりつ〔ガフケイトクシユシユツシヤウリツ〕【合計特殊出生率】
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合計特殊出生率
ごうけいとくしゅしゅっしょうりつ
total fertility rate
1人の女性が生涯に産むことが見込まれる子供の数を示す指標。年齢ごとに区分された女子人口に対する出生数の比率を年齢別出生率といい,合計特殊出生率は 15~49歳の年齢別出生率の合計である。出生率としては,人口 1000人あたりの 1年間の出生数の割合である普通出生率(粗出生率)なども使用されるが,普通出生率は性別や年齢のかたよりなど人口構成の影響を受けるため,再生産年齢人口(出産可能な年齢の人口。一般に 15~49歳とされる)の実質的な出生力をはかる指標として合計特殊出生率が用いられる。1年間の出生状況に基づいて算出される期間合計特殊出生率が用いられることが多く,これは年による比較,国や地域による比較などに利用される。また,コーホート(特定の世代の集団)の出生状況に着目し,その世代の 15~49歳の出生率を過去から累積して算出するコーホート合計特殊出生率も使われる。人口が長期的に増減しない出生の水準を人口置換水準と呼び,合計特殊出生率で表す人口置換水準は 2013年現在 2.07である。日本の合計特殊出生率は,第1次ベビーブームが起こった 1947年に 4.54を記録したが,その後減少を続け,1956年に 2.22となり初めて人口置換水準を下回った。丙午にあたる 1966年には 1.58に下落したが,翌 1967年には 2.23に回復。第2次ベビーブームの 1972,1973年頃までは横ばいだったが,その後は漸減して 2005年には 1.26まで低下。2006年から微増に転じ,2014年は 1.42。
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「合計特殊出生率」の意味・わかりやすい解説
合計特殊出生率【ごうけいとくしゅしゅっせいりつ】
1人の女性が生涯に産む子供の数を示す。合計特殊出生率が2であれば,夫婦2人から子どもが2人ということで,世代の人口がほぼ維持されることになる。日本では,第1次ベビーブーム(1947〜1949年)までは4を超えていたが,その後急速に低下をたどり,1970年代に2.0以下となり,年々最低記録を更新しつづけ,1993年には1.46となり,1998年1.38,そして2004年には1.29となった。2006年には1.26にまで落ち込むが2012年には1.41まで回復した。しかし今後は適齢期の女性の数が減っていくため少子化傾向にあり実効性のある子育て支援が求められる。一方で人口高齢化が進行しており,相対的な比率の低下した生産年齢人口(15〜64歳)が高齢者を社会的に支える必要があり,大きな課題となっている。→人口
→関連項目出生率|純再生産率|少子化
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世界大百科事典(旧版)内の合計特殊出生率の言及
【人口】より
… 先進諸国の出生率の動向と水準には,かなり著しい差異がみとめられるが,基本的な特徴は歴史上かつてない低水準を達成しているということである。そのような傾向を,より正確に人口の再生産をあらわす合計特殊出生率total fertility rate(1人の女子が生涯に産む平均子ども数),総再生産率gross reproduction rate(1人の女子が生涯に産む平均女児数),純再生産率net reproduction rate(総再生産率から,死亡する女児を差し引いたもの)によって考察してみよう。 女子1人当り(あるいは夫婦当り)の平均出生子ども数をあらわす合計特殊出生率が2である場合は,夫婦2人から子ども2人ということで世代がほぼ維持されることになる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」