人民内部の矛盾(読み)じんみんないぶのむじゅん

改訂新版 世界大百科事典 「人民内部の矛盾」の意味・わかりやすい解説

人民内部の矛盾 (じんみんないぶのむじゅん)

中国で,毛沢東が提起した革命政治理論。中国の国旗,五星紅旗は一つの大星と四つの小星をもつ。大きな星は中国共産党,小さな星は労働者,農民,民族資本家,知識人を表す。これが人民範疇であり,敵(外国帝国主義,買弁官僚資本家,地主)と対をなす。人民内部の矛盾とは五つ星の集団のあいだの矛盾をさす。毛沢東は敵と人民とのあいだの矛盾と人民間の矛盾とでは,その処理方法は違うと主張した。前者暴力的に処理さるべきだが,後者は平和裏に処理さるべきものとされる。問題は社会主義の段階になって以後の内部矛盾が成長したときの処理である。1962年中国共産党は,社会主義社会は階級社会であると規定し,人民内部の矛盾が成長し敵対的矛盾に転化することを示唆した。66年以後の文化大革命は敵対的矛盾に転化した党上層官僚を暴力をもって打倒する革命であると規定された。しかし79年以後の政権はこの考えをとっていない。
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