仁王・二王(読み)におう

精選版 日本国語大辞典 「仁王・二王」の意味・読み・例文・類語

に‐おう ‥ワウ【仁王・二王】

[1]
[一] 仏法守護のため、寺門または須彌壇前面の左右両脇に安置してある一対の神像。口を開いた阿形(あぎょう)を金剛、口を閉じた吽(うん)形を力士と呼ぶ。いずれも勇猛な忿怒形相をなす。健康の象徴とされ、口中でかんだ紙片を投げつけて自分の患部または発達を願う部分にはりつけば、願いがかなうという俗信がある。また、健脚の神ともされ、大きな草鞋(わらじ)などが奉納される。仁王尊。仁王天。金剛力士。二天。
※栄花(1028‐92頃)玉の飾「その御そばに十弟子なんだり。にわうなど立ち給へり」
[二] (仁王) 狂言。各流。博打(ばくち)に負けて国にいられなくなった男が、日ごろ世話になっている人の助けで仁王になりすまし供え物を得るが、参詣人に体をなでられ、こらえきれずに逃げ出す。
[2] 〘名〙
① ((一)(一)に似ているところから) 大きな相撲取りをいう。
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦一三(1763)仁五「桟敷迄仁王は花の礼に来る」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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