仁田山(読み)ニタヤマ

デジタル大辞泉 「仁田山」の意味・読み・例文・類語

にた‐やま【仁田山】

仁田山織」の略。
《仁田山織のつむぎは普通の紬に似ているが、質が悪いところから》似て非なるもの。まがいもの。
「この頃―の今助六といふ野郎が」〈洒・大通秘密論〉

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精選版 日本国語大辞典 「仁田山」の意味・読み・例文・類語

にた‐やま【仁田山】

  1. 〘 名詞 〙
  2. にたやまおり(仁田山織)」「にたやまつむぎ(仁田山紬)」の略。
  3. ( 形動 ) ( 仁田山紬(つむぎ)が粗悪であるのに、一見普通の紬のようであるからいうとも、「似た」に「待ち兼ね山」「ありがた山」などの「山」を付けたものであるともいう ) 本物に似ているが品質の悪いさま。また、そのもの。似て非なるもの。まがいもの。にせもの。まやかしもの。
    1. [初出の実例]「太神楽にた山で済む跡(あと)の足」(出典雑俳・川柳評万句合‐明和元(1764)松四)
  4. 通人でもないのにいきがっている人。半可通。仁田山通。仁田山半可。
    1. [初出の実例]「皆にた山の本田にして、当世の意気にあらず」(出典:洒落本・契情買虎之巻(1778)一)
  5. にたやまさぶらい(仁田山侍)」の略。
    1. [初出の実例]「にた山で渡しただ乗る江戸訛り」(出典:雑俳・かがみ磨(1814))

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