今井郷(読み)いまいごう

日本歴史地名大系 「今井郷」の解説

今井郷
いまいごう

新田庄に属する郷で、上・中・下三郷からなる。上今井は現佐波さわさかい西今井にしいまい、中今井は長楽ちようらく寺北西部の世良田せらだの小字今井、下今井は普門ふもん寺南方の世良田の小字下今井に比定され、はや川沿い約三キロにわたって未墾地を含んで展開した空閑の郷。新田氏の根本私領の一つ。嘉応二年(一一七〇)の新田庄田畠在家目録写(正木文書)に「いまいの郷 田七町六反 畠一丁八反卅たい 在家二う」とある。これより先仁安三年(一一六八)六月二〇日新田氏の祖源義重は庶子らいわう(義季)の母を中間相続者として「かみいまい・しもいまい」等の空閑の郷々を義季(世良田家の祖)に譲った(「新田義重置文」長楽寺文書)。義重死後の元久二年(一二〇五)に中今井郷は嫡子義兼に安堵され(同年八月日「源実朝下文写」正木文書)、この頃上・下今井も義兼の手に移っていたらしい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android