今井(読み)イマイ

デジタル大辞泉 「今井」の意味・読み・例文・類語

いまい〔いまゐ〕【今井】

姓氏の一。
[補説]「今井」姓の人物
今井邦子いまいくにこ
今井慶松いまいけいしょう
今井似閑いまいじかん
今井宗久いまいそうきゅう
今井正いまいただし
今井登志喜いまいとしき

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「今井」の意味・読み・例文・類語

いまいいまゐ【今井】

  1. 姓氏の一つ

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「今井」の解説

今井
いまい

あら川東岸の現上今井町・下今井町一帯に比定される。天正一一年(一五八三)三月二八日付の徳川家康印判状写(「古文書雑集」若尾資料)に「甲州鎌田今井之内三拾五貫文等之事」とみえ、今井肥後守に本領として安堵されている。今井氏は甲斐守護武田信満の五男孫六左馬助信景に始まり、当地に住して今井を名乗った(「一本武田系図」など)。その子孫は何流かに分れ、主流は当地に住したとみられる。上今井の南方には今井肥後守のものとされる墓があった。甲斐国内には今井の地名が数ヵ所あり、江戸時代には区別のために隣接する地域名や広域名称を冠してよんだ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「今井」の意味・わかりやすい解説

今井 (いまい)

奈良県橿原市に属する旧高市郡の旧町。環濠集落寺内町(じないちよう),町人住宅(町屋(まちや))街の伝統を伝え,その歴史的町並みが有名である。今井町は16世紀半ば(天文年代)に大坂本願寺兵部卿法印豊寿が南大和の中心的宿場町八木の西方の今井庄に一向宗道場として今井御坊称念寺)を建立,門徒の浪人や商人らを集めて寺内町を開いた。町域は4町四方,外周には水濠をめぐらして要塞化した。1575年(天正3)に織田信長に屈服したが,堺と姉妹町の関係にあったため,寺内町として今井兵部卿歴代の支配が認められ,徳川幕府もこれを承認した。しかし,町人自治が発達しており,今井兵部卿の特権を排除し,幕府直領として惣年寄3家(今西,尾崎,上田)が町政に当たった。今西,上田の両氏は戦国武士の十市氏の末流,尾崎氏は豊臣氏の代官として城上郡(磯城郡)に入部したのが関ヶ原の戦後に浪人,3氏とも今井町に亡命したものである。今井町には富裕町人が蟠踞(ばんきよ)し,その財力は関西地方に周知で,大名貸なども盛んだったといわれる。環濠都市のため治安は保たれ,また消防組織を発達させて火事のない町として繁盛した。明治新政を迎えても,町人の富力は衰えず,民有鉄道などの起終点に今井町がしばしばあげられたが,町民はその敷設をきらった。これら町人の大小の住宅(町屋)が現存するが,とくに今西氏の八棟造の巨棟は近世今井町の天守閣ともいうべき構築である。このほか重要文化財民家が多い。1956年畝傍(うねび)町,八木町などと合体して橿原市となった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「今井」の意味・わかりやすい解説

今井【いまい】

奈良県橿原(かしはら)市の地名。一向宗道場(のちの称念寺)境内に成立した寺内町に淵源し,歴史的町並みで著名。1541年石山(いしやま)本願寺大坂御坊)の今井兵部豊寿が本願寺の道場を建て,境内に町割を敷いた。今井氏家譜によると境内地は武装していたが,1575年織田信長に敗れたという。江戸時代初期は東西約610m,南北約310m,東西南北9所の門があり,夜は4所を閉ざした。今西・尾崎,のち上田を加えた3家を惣年寄とする自治組織を持ち,初め幕府領であったが大和郡山(こおりやま)藩領を経て幕府領。藩領時代今井町を称し,南・西・東・北・今・新の6町,戸数約1200戸・人口約4000人の豊かな町となった。今西家を含む8軒の住宅が国の重要文化財に指定され,現戸数約800戸の8割が江戸時代の民家。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「今井」の意味・わかりやすい解説

今井
いまい

奈良県中西部、橿原(かしはら)市の一地区。旧今井町。飛鳥(あすか)川西岸にある部分的に水濠(すいごう)に囲まれた南北300メートル、東西600メートルの地区。現存する民家の約8割は江戸時代からのもので、特徴的な寺内町(じないまち)の姿をとどめている。室町末期、石山本願寺の家衆今井兵部(ひょうぶ)が御坊(称念寺)を建て、4町四方に堀を巡らし、防衛的寺内町を建設したのに始まる。称念寺や豊田家、今西家など9件が国の重要文化財となっている。1993年(平成5)国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。

[菊地一郎]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

山川 日本史小辞典 改訂新版 「今井」の解説

今井
いまい

戦国期,大和国にあった寺内町(じないまち)。現在の奈良県橿原市今井町。真宗寺院称念寺を中核とする。「大和記」に「今井村ト申処ハ,兵部ト申一向坊主ノ取立申新地ニテ(中略)四町四方堀ヲ掘リ廻シ土手ヲ築キ,内ニ町割致シ,方々ヨリ人ヲ集メ,家ヲ作ラセ,国中ヘノ商等イタサセ,又ハ牢人ヲ呼集メ置キ申候」とあり,寺を中心に堀を巡らした自治都市の形態がわかる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「今井」の意味・わかりやすい解説

今井
いまい

奈良県奈良盆地南部,橿原市の中心市街地の一部。旧町名。飛鳥川をへだてて八木と接する。室町時代末期,今井兵部が建設した寺内町で,称念寺をはじめ,現在も町並みをよく保存し,八つ棟造りの今西家ほか7棟の民家が重要文化財に指定されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android