デジタル大辞泉
「家名」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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か‐めい【家名】
- 〘 名詞 〙
- ① 一家の名称。かみょう。けみょう。
- [初出の実例]「無感の感、離見の見に現はれて、家名広聞ならんをや、遊楽の妙風の達人とも申べき」(出典:遊楽習道風見(1423‐28頃))
- ② 家のあとめ。家督。
- [初出の実例]「家名之儀達而之心望候条、契約候」(出典:蠧簡集(1725頃)五(古事類苑・政治三))
- ③ 一家の名誉。
- [初出の実例]「飽帯二官職一、欲レ挙二家名一」(出典:吾妻鏡‐建保四年(1216)九月二〇日)
け‐みょう‥ミャウ【家名】
- 〘 名詞 〙 ( 「け」「みょう」はそれぞれ「家」「名」の呉音 )
- ① 家の名。苗字。かめい。
- [初出の実例]「宣旨の御家名(ケミャウ)ならびに御先祖のけいづつぶさにうけたまはりぬ」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)上)
- ② =けみょう(仮名)①
- [初出の実例]「家名(ケミャウ)実名敵討の首尾つぶさに聞んとの給へば」(出典:浄瑠璃・嫗山姥(1712頃)一)
か‐みょう‥ミャウ【家名】
- 〘 名詞 〙
- ① =かめい(家名)①
- [初出の実例]「平生の物語にも、ひとことことに、家名(カミャウ)を付て」(出典:評判記・満散利久佐(1656)小藤)
- ② =かめい(家名)②
- [初出の実例]「武夫国子の大礼を上げ全く吉川の家名(カミャウ)を譲り」(出典:婦女の鑑(1889)〈木村曙〉三三)
いえ‐ないへ‥【家名】
- 〘 名詞 〙 その家の呼び名。
- (イ) 姓氏。名字。
- (ロ) 後継者が代々うけついできた名。
- [初出の実例]「宗盛が実父家名は六郎兵衛」(出典:雑俳・柳多留‐三五(1806))
- (ハ) 居住地、官職、職業などによる家の呼び名。また、屋号。
- [初出の実例]「呉服屋忠助とて、むかしは駿河の本町に軒ならべし中にも、花菱の大紋に家名(イヘナ)をしらせ」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)三)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の家名の言及
【人名】より
…滝沢馬琴の公式の名は源興邦(おきくに)であるが,彼は本名のほか34の名をもっていたことで知られる。西郷隆盛についていえば,氏姓は平朝臣(たいらのあそん),家名は西郷,幼名は小吉,諱は隆盛,通称は吉之助,雅号は南洲である。現在,戸籍に登録できる名は一つであるが,さまざまな別号や異名をもつ人が少なくない。…
【姓氏】より
…地方の武士の例では,桓武平氏に出自した千葉,三浦,和田,土肥,北条,江戸,畠山,熊谷等の諸家の名が現れている。いずれも荘園や居住地の名にちなんだ家名である。人々は一般に家名+官職名(西園寺相国,菊亭大納言等),家名+通称(北条小四郎,足利七郎五郎,等々)をもって呼ばれた。…
【屋号】より
…家を特定するために付けられた呼称。イエナ(家名),カドナ(門名),コナ(戸名)などともいう。名字は家々の系譜関係に基づいて付けられるので複数の家が同じものを名のることが多く,また近世には農民は名字を公的に使用することができなかったので,家を示すのに屋号が日常的に用いられた。…
※「家名」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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