今川(読み)イマガワ

デジタル大辞泉 「今川」の意味・読み・例文・類語

いまがわ〔いまがは〕【今川】

姓氏の一。足利あしかが氏の一族。足利国氏が三河国幡豆はず郡今川荘に住み、姓を名のったのに始まる。東海一の戦国大名義元桶狭間おけはざまで敗死してから衰退
[補説]「今川」姓の人物
今川義元いまがわよしもと
今川了俊いまがわりょうしゅん

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精選版 日本国語大辞典 「今川」の意味・読み・例文・類語

いまがわいまがは【今川】

  1. [ 1 ]
    1. [ 一 ]いまがわじょう(今川状)」の略。
      1. [初出の実例]「一つ宛今川の義理いやがない」(出典:雑俳・西国船(1702))
    2. [ 二 ]おんないまがわ(女今川)」の略。
      1. [初出の実例]「すべて武家に育つ娘には、おさない時より女ていきん、今川などよみならわせ」(出典:歌舞伎・けいせい花絵合(1773)三の口)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙いまがわやき(今川焼)」の略。

いまがわいまがは【今川】

  1. 姓氏の一つ。源姓足利氏の支流。鎌倉期、足利義氏の子長氏の二男国氏が、三河国今川荘を得、それを冠して、今川氏を称したとされる。鎌倉幕府倒幕に際しては、国氏の孫範国は足利尊氏に従い、その後、駿河遠江二か国の守護となり、また室町幕府の引付頭人として幕政を担った。範国の二男貞世(了俊)は、九州探題となって辣腕をふるった。関東の動向を監視し、幕府の関東対策の一翼を担った。斯波氏に遠江の守護を奪われた時期もあるが、一六世紀初頭の氏親の代に遠州を勢力下におさめ、分国法今川仮名目録」を制定し、戦国大名への脱皮を果たした。義元の代にいたり、三河を支配下に入れ、駿河・遠江・三河の東海三か国を支配する大名へと成長したが、織田信長に破れ、後を継いだ氏真は、武田・徳川・北条氏らの侵攻をうけ、戦国大名としての今川氏は滅んだ。

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