今木神(読み)いまきのかみ

朝日日本歴史人物事典 「今木神」の解説

今木神

平野神社(京都市北区)に祭られる神。「今木」の「木」は「来」の当て字で,今あらたにきた人々が祭る神の意。もともと,大和国(奈良県)高市郡今木の地に住みついた渡来系の人々によって祭られていた神。光仁天皇の夫人高野新笠(百済系)の祖神とされたが,新笠の子の桓武天皇の代に至って現在の地に祭られ,のちに平氏氏神となった。

(佐佐木隆)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「今木神」の解説

今木神 いまきのかみ

京都平野神社の祭神
桓武(かんむ)天皇生母で,百済(くだら)(朝鮮)系渡来氏族出身の高野新笠(たかのの-にいがさ)の祖神。今木は今来(新来)の意味。大和(奈良県)高市(たけち)郡にすみついた渡来系の人々によりまつられていたが,遷都にともない京都にうつされた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の今木神の言及

【平野神社】より

…京都市北区平野宮本町に鎮座。今木(いまき)神,久度(くど)神,古開(ふるあき)神,比咩(ひめ)神をまつる。794年(延暦13)平安遷都により,それまで大和国各所に奉斎されていた今木神,久度神,古開神を遷座,それに比咩神を加え奉斎した社。…

※「今木神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android