仏図戸(読み)ぶっとこ(その他表記)fó tú hù

改訂新版 世界大百科事典 「仏図戸」の意味・わかりやすい解説

仏図戸 (ぶっとこ)
fó tú hù

中国における仏教教団の隷属民。北魏の沙門統曇曜が,476年(承明1)ごろ孝文帝に奏請して設置したもので,寺院の清掃や寺田耕作などに従事した。寺戸ともいった。これには重罪犯人や官奴があてられ,仏教の興隆にともなって北魏全土に普及した。曇曜は同時に毎年,粟60石を僧曹(宗教行政をつかさどる役所)に納める僧祇戸(そうぎこ)を置いて,教団の経済基盤をかためた。これがいつ廃止されたかはわからないが,寺戸とよばれる教団の隷属民は後世にも存した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 雅章

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android