仏坂(読み)ほとけさか

日本歴史地名大系 「仏坂」の解説

仏坂
ほとけさか

絵鞆えとも半島中央部、室蘭市街中心部に入る山手やまて町一丁目の国道三六号沿いに位置する。明治五年(一八七二)現国道の原型ともいえる札幌本道開削工事が開始されたが、仏坂を通る今のコースと違い、北側の浜沿いに馬車道が造られた。この工事で過酷な労働を強いられた労働者が犠牲となり、切開かれた坂上に葬られたことから仏坂とよぶようになった。同四〇年に日本製鋼所の敷地造成と関連工事で犠牲者が出たため、同四三年五月に下請業者であった新川(丸山)茂十郎が犠牲者の霊を合祀する招魂碑を建てた(以上「新室蘭市史」)。当時、室蘭から母恋ぼこいへ出る最短の道であったが、急勾配のため人はあまり通らず、不気味な場所であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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